2013年12月13日金曜日

ふるさと名木事業

NPO青森県樹木医会では、一般社団法人青森県林業コンサルタントの
ふるさとの名木保護保全事業の委託を受けて、毎年3~5本の樹木の
樹勢回復を行っています。

今年は
・風間浦村 若宮八幡宮のアカマツ
・南部町 法光寺のアカマツ
・七戸町 営農大学校のシダレザクラ
・藤崎町 徳下八幡宮のイチイ

計4本を実施しました。

メインの作業は土壌改良です。

風間浦村のアカマツは、落葉堆積による土壌の酸性化と一部踏圧による
土壌の硬化がみられたため、落葉を一部を削いで、活性炭を多めに
土壌改良剤と混合する土壌改良を行いました。













南部町の法光寺アカマツは、アカマツ並木全体が道路盛土による
樹勢衰退がみられたため、並木の中でも早急に対応するべきアカマツ2本の
根元周囲の土壌を削り、土壌改良を行いました。













七戸町のシダレザクラは、樹勢衰退の回復のため土壌改良を行いましたが、
根系に癌腫病が数か所確認され、樹木の状態の悪さがわかりました。
土壌改良はしましたが、水はけの悪さが根本の原因と考えられるため
次なる対応が必要となります。










藤崎町のイチイは、枯損枝による道路や参拝者への危険が心配されるため、
枝の切断と、土壌改良を行いました。
鳥居のすぐ横にあることもあり、踏圧による根系発達障害がみられる片側の
土壌改良でした。



この事業は、林業コンサルタントが事業費を負担してくれるため、
治療費が工面できない団体にとってはとてもありがたいシステムかと思われます。
大がかりな工事は難しいですが、土壌改良で樹勢を回復できる可能性は
大いにあります。
実施するには市町村からの申請書の提出が必要になりますが、
地元市町村の財源に頼らずに地域の樹木の治療をすることが可能です。


平成25年度分は終了しましたが、来年度も募集しています。
お近くに元気がない樹木はありませんか。
ご相談に応じますので、ご連絡ください。

土壌改良作業(2010年青森市)


連絡先は NPO青森県樹木医会 TEL:017-737-5860 aojyumokui@gmail.com まで。


2013年11月26日火曜日

森のめぐみ展inはっちに出展しました。

11月9,10日、八戸市ポータルミュージアム「はっち」にて開催された

「森のめぐみ展inはっち」に出展してきました。


このイベントは、市民に森林や木材への理解を深めてもらうために

森づくりから木工・住まいづくりまでをPRするという県産材フェアです。
イベントホール開会式の様子

県産材フェアですが、森にかかわることだったら広く参加できるイベントということで

なかなか面白い企画でしたので、今回NPO青森県樹木医会も参加させていただくことに

しました。

展示会場全景

 

NPO青森県樹木医会10年実績パネル

展示内容は、「樹木の長老たちとともに」と

題し、NPOとして10年活動してきた樹木医

会の実績と、三八上北地域の巨樹・古木

で、斎藤 嘉次雄樹木医が撮りためた

写真23点です。



斎藤樹木医が撮影した写真23点



NPOフォーエバーツリーネットワーク展示コーナー
















また、本会と同様に樹木のために活動

している東京のNPO法人

「フォーエバーツリーネットワーク」の

活動も一部紹介しました。







展示コーナーが二階ということもあり、客数は見込めないことを覚悟していましたが、

隣がシアター会場ということや関係者スタッフさん達が宣伝してくださったおかげで、

意外と多くの方がいらっしゃいました。


展示をしてみての感想は、


・巨樹が大好きな人、大切に思っている人がいること。
(特に年配の方が多かった。)

・NPOの活動に関心がある方がいること。

・巨樹の写真が好き、という方が多いこと。

・若い人達が意外と熱心に見て行ってくれたこと。

でした。


NPOフォーエバーツリーネットワークの展示では、

東京での樹木治療の活動だけでなく、

福島県いわき市で続けているイブキを育てるプロジェクトの紹介がありました。

イブキプロジェクトの活動に足を止める方が多いのが印象的でした。

また、売上の一部を樹木治療にあてるというイチョウバウムロールの販売も

行いました。20個限定販売でしたが、2日間で無事完売しました。

ありがとうございました。

売上は本会とNPOフォーエバーツリーネットワークで分割し、

樹木治療に使わせていただきます。


最終日に森のめぐみ展でステージ

イベントを行った「アースガールズ」

が展示を見に来てくれました。

イチョウバームロールも購入してくだ

さいまして!

アースガールズの皆さん、

ありがとうございました。

「アースガールズ」facebook


普段は地道な活動が多い本会ですが、今回の展示を通してたくさんの方と交流したり、

有力な情報をいただくことができました。

また、斎藤樹木医が撮り続けた写真が多くの方を引きつけることも印象的でした。

機会を設けて、またこのような展示を開催したいと思いました。

関係者の皆様、機会を設けてくださいましてありがとうございました。





シダレザクラの支柱

11月25日、青森市にある大星神社のシダレザクラの2本に支柱を立ててきました。



この二本のシダレザクラは、土壌改良と不定根誘導により

再生させたものです。

安定性のない樹体であり、昨年雪による枝折れがあったため、

樹木医会側が申し出て設置することになったようです。



ここのシダレザクラは、巨樹のものをはじめ数本が境内に点在

しています。

斎藤嘉次雄樹木医と有志の方々の歴史あるシダレザクラを

保全していきたいという想いから

ほぼボランティアで治療を続けてきたものです。
シンボルツリー 


今年も土壌改良を行った成果か、今年も新しい枝を出し、二年枝も成長した後がみられました。

来年、花を咲かせることを祈ります。


帰り道、気がつくと綺麗な紅葉の風景が広がっていました。

紅葉の穴場ですね。あともう少し楽しめそうです。




2013年10月7日月曜日

緑のサポーターと十和田湖畔で土壌改良実施!

長らく投稿をお休みしておりました。

8月、9月は行事や樹木治療が目白押しでした。
すこしずつかさのぼり報告する予定です。よろしくお願いします。

昨日、十和田湖休屋にて、カツラの土壌改良を行ってきました。
今回は、緑のサポーターの会の活動になります。

収穫時期の繁忙期のせいか、今回の参加者は6名でした。

治療対象のカツラは、休屋の遊覧船着き場の真ん前にありますが、
樹木の先端枯れが目立ち始めています。




芝生をはがし、根を傷つけないように手堀していきます。
土壌が堅く、なかなか掘り進めていけません。
根も詰まり、隙間をねって張り巡らさていました。



人数の少なさと時間制限もあり、今回はやや点状の土壌改良になりました。

有機質土壌改良剤、アップルグリーン、エコ炭を土に混ぜ込み、埋め戻しです。

これで、少しは回復するでしょうか。


ちなみに、2年前に土壌改良をしたシダレザクラは回復したようです。

2年前はシダレがほとんどみられない状態でしたが、

若干枝枯れも目立ちつつも、枝が伸び、シダレザクラの風貌をとりもどしていました。

写真を撮るのを忘れてしまい、お見せできないのが残念です。。。


十和田湖休屋のメインとなる場所なだけに、今後も実施できればいいな、と思いました。









2013年7月25日木曜日

八甲田ロープウェー山頂駅 帰化植物除去活動!

7月21日(日)、八甲田ロープウェー株式会社さんと共催で

ロープウェー山頂駅周辺の帰化植物除去作業を実施しました。

当日は、薄曇りで涼しい作業日和。










青い森ネイチャーガイド協会ガイドさん達のご協力もあり、15名の参加者とともに

作業を開始しました。

当日除去した植物は、

セイヨウタンポポ
ブタナ
ヒメジョオン
ヘラオオバコ
ツボミオオバコ
エゾノギシギシ
シロツメクサ
コウリンタンポポ

シロツメクサは、緑化に使った歴史があるとのことで、あちこちに繁茂していました。

セイヨウタンポポも然り。

午前中で終了のせいか、皆さんせっせと除去に励みます。

あっというまにごみ袋4袋に。お疲れさまでした。


八甲田ロープウェーさんのご配慮で、お昼はカレーをご馳走になりました。

帰化植物に罪はないですが、このままでは高山の生態系が変わってしまいます。

毎年継続的に行っていきたい作業ですね。

2013年6月14日金曜日

浪岡湿性花園のソメイヨシノ

6月11日、
昨年の冬直前に当会が実施した
浪岡湿性花園のソメイヨシノ土壌改良のその後の経過を確認してきました。



掘り返してみたところ、新しい根が出ていました。
まだまだ細いですが、白くて生き生きした根が出ています。


樹勢も、土壌改良した上部からは緑の濃い葉が出ています。
今回は剪定がかなり荒かったようですが、(当会は関与しなかったようです。)
今年伸びた枝を活かす剪定ができれば、と思います。



高さ調節のためか強剪定をされてしまったソメイヨシノ。
不格好ながらも芽吹いていました。
剪定によって変わってしまう樹形。
管理一辺倒ではなく、可能ならば樹木の今後を考えつつ美しい樹形を、
と思ってしまう私は独断的でしょうか。

2013年5月30日木曜日

今年は創立10周年です。

当会(特定非営利活動法人 青森県樹木医会)は、今年で10年を迎えました。

多くの方々にご理解ご協力いただいたことに感謝し記念事業を開催します!

今日は、現在告知準備中の企画を公開!です。


開催するのは、8月31日(土)、9月1日(日)、9月22日(日)。


8月31日(土)には式典と記念講演、交流会、

9月1日(日)は研修会を行います。

こちらのお勧めを紹介!

まずは記念講演。

森林総合研究所北海道支所長の牧野 俊一氏をお呼びし、

「生物多様性について」お話していただきます。

森林総合研究所には牧野先生ファンがいるとのこと。

知る人ぞ知る、著名な方のお話を聞くチャンスかもしれません。

最近は生物多様性について考えさせられることも多いので、旬の話題といえると思います!


また、当会で活動する樹木医による発表会、こちらもお勧めです。

樹木の不思議、サクラの診断・治療、東日本大震災でのマツの被害についてなど、

造園界、林業界から発表があるので、視野が広がって面白いと思います。


研修会。

こちらでは、前日発表報告をした内容をもとにサクラの土壌改良を行います。

現場が見られるチャンスです。勉強のためにもぜひ。



こちらのお知らせは、今月中に告知する予定です。

申し込みは告知後になりますので、楽しみにお待ちください。


・・・忘れていました。

9月22日(日)は毎年ご好評いただいている巨樹・古木観察会を開催します!

今年は下北半島です。むつ市を中心に6か所程度見てまわる予定。

観察会の申し込みはすでに開始していますので、

青森県樹木医会HPからお申込みください。


「青森県樹木医会 HP」
http://aojyumokui.sakura.ne.jp/





2013年5月25日土曜日

大星神社のシダレザクラ

青森にも、新緑の季節が到来しました。

でも!まだまだ桜が葉桜になりながらも咲いていますね。

ヤエザクラ、そしてシダレザクラもまだあちこちで頑張っています。


先日紹介した大星神社のシダレザクラも、今年無事に咲きました。

少しまばらなところもありますが、花つきのよい枝はとても見事でした。

こちらは5月10日に撮影した写真です。



















さて、こちらの大星神社で10数年間行ってきたシダレザクラの治療を行います。

今年は、町内会やボランティアの有志をはじめたくさんの方々と行いたいと思っています。

おもに土壌改良になりますが、ぜひお越しください。



開催日時:6月15日(土)9時~12時

場所:大星神社(青森市妙見)

持ち物:汚れてもいい服装、手袋、スコップ等

申し込み不要です。奮ってのご参加お待ちしています!

2013年5月20日月曜日

奥入瀬渓流危険木調査が終了しました!

5月8~10日、そして5月15~17日と奥入瀬渓流危険木の調査を実施、無事に終了しました。


奥入瀬渓流の落枝事故があってから今年で10年目を迎える調査ですが、

当会の事務局長である 斎藤樹木医は当初から関わってきたようです。

同行してみて痛感したのは、集中力と根気のいる作業!ということ。

1日約5Kmの道のり3日間、頭上に注意しながら歩くのですが、

数時間もすれば首が痛くなります。

                    (このような体勢でひたすら歩きます→)


調査中は、温かい日にも恵まれたのですが、

その陽気のせいか、渓流の絵を描く人や写真を撮る人など

がごったがえしている間をぬっての調査となりました。




調査結果の詳細はまだ聞いていませんが、

今年は昨年よりも本数が少なかったようです。

10年間の成果でしょうか。


関係者の皆様お疲れさまでした。



調査最終日には渓流沿いの木々の芽吹きが終わり緑色に輝いていました。

2013年5月7日火曜日

春。 巨樹・古木探訪のススメ

ゴールデンウィークがあけた初日、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今年は温度が上がらず、寒さに震えながらの外出を体験された方も多いことでしょう。

でも。

確実に春は訪れていますね。

里山に目を向けると、オオヤマザクラのピンク色がちらほらと見られます。

ブナの芽吹きもちらほらと、、、。


樹木の初々しい季節、到来です!


エネルギーに満ち満ちた自然に会いにいくには絶好の機会。

この機会を逃してはなりません!(笑)

里山の自然ももちろんですが、

巨樹・古木にも会いに行ってみるとなお面白いと思います。

大先輩の巨樹・古木の初々しさ。

このギャップなかなかいいものです。

より元気がもらえることも。

では、どんな樹に会いに行けばいいか?
迷った時は、この本がお勧めです。


当会の樹木医 斎藤 嘉次雄 が東奥日報の連載をまとめた

「青森県の巨樹・古木を訪ねて」 (東奥日報社 出版)



写真と文章からいいなあ、と思った樹木に会いにいくのは
いかがでしょうか。

道案内もわかりやすいので安心して
巨樹・古木探訪に迎えます。



今年の春はぜひ、巨樹・古木探訪に勤しんでみませんか。

2013年4月23日火曜日

つがる市稲垣町の一本タモはご存知ですか。



津軽為信公が津軽平定の時、この地を訪れ新田開発の

決意をさせたといわれているこの木。


正式名は「ヤチダモ」。

トネリコの仲間で水気の多い場所に生育します。











コンクリート整形した箇所がかつての台風で崩れ、

衰退が懸念されたことから

2年前に本会が土壌改良と不定根誘導の治療を

実施したそうです。


一本タモを愛する地元の方と市の依頼により、

今年も治療する計画があがっています。

現場にいってみると、、、

2年前の成果が現れているようです。


若い枝の勢いがあり、芽もふっくりと

豊かでした。

写真を撮った後、じっくりみると、芽から

花らしきものがうっすら見えています。

撮影したのが15日ですから、

もう開いている頃でしょう。


不定根も小さいながら確認!(写真がないのが残念!)

今年は発生した根をさらに誘導することで、幹部分の固定を望みたいところです。

枝は元気ですが、コンクリート整形をした場所が崩壊しているため、

とてもバランスが悪い状態なのです。

支柱がなければ、折れてしまう心配は否めません。

幹が丈夫になるまで、なんとか折れないでいてほしい、、、

そんな気持ちになってしまいました。


それでも今は元気いっぱいなタモ。

気になる方はどうか見に行ってみてくださいね!

場所は

つがる市稲垣町豊川千代島107-18 

つがる市役所稲垣支所近くの交差点すぐ右側の三角地です。



2013年4月16日火曜日

こんにちは!NPO法人青森県樹木医会です。
 
本日よりブログを開始します。よろしくお願いします。
 
 
第1回目は、大星神社のシダレザクラでの活動紹介です。



青森市問屋町にある大星神社。

ここには、津軽九代寧親藩主の参詣の

時にお手植えされたといわれている

推定350年のシダレザクラが15本ほど

残っています。

かつては樹勢がかなり弱っていたのですが、

15年ほど前に市民によるシダレザクラの再生運動が

起こったのがきっかけで、毎年土壌改良等の治療を

続けてきました。

現在は、主となるシダレザクラの空洞部も3分の1まで

埋まり、回復してきています。



春は隠れた名所として知られているシダレザクラ。





このシダレザクラ達をもっと元気にしよう!ということで

今年も樹勢回復を行います。

今回は町内会と神社の協力をいただきながら、多くの方と作業を行う予定です。

作業は土壌改良がメインになります。

土壌改良は根を傷めないように地面を掘り起こし、肥料と土を混ぜていく、という

地味で時間がかかる作業です。

でも、数年後、より多くのシダレザクラが生き生きと花を咲かせることができたら、、、!

ここを更なる名所にするためのお手伝いをしませんか?


開催日時はこちら↓

平成25年6月15日(土)9時~12時


あと1~2週間でサクラも開花します。

ぜひ一度見に行ってみてください。


境内の中にメタセコイヤやコウヤマキ、

イチョウもありますので、

樹木が好きな方はこちらもどうぞ!